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コロナ禍でのストレス対処法 ~こころの健康維持~

新型コロナウイルス感染症が確認されてから2年以上が経過しました。新型コロナウイルスが世界中で流行したことで私たちの生活は大きく変化し、ストレスを感じることや楽しみが減った方も多いのではないでしょうか。今回はコロナ禍でのストレス対処法とこころの健康維持のコツについてお話します。
まずストレスについて説明します。ストレスとは、外部から刺激を受けた際に感じる緊張状態のことです。外部からの刺激には天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。新型コロナウイルスの流行もこの外部からの刺激になります。ストレスは様々な病気の要因にもなります。そのため、ストレスをためないように対処をすることが重要です。
 ストレスの対処法には様々なものがあるため、今回はその中からいくつかご紹介します。

➀好きなこと(趣味)をする
 ストレスへの対処と聞いてまずこれを思いつく方が多いのではないでしょうか。自分の好きなことをすることはストレスへの対処法として効果的です。例えば読書や音楽を聴く、ドライブに行く等です。しかし、新型コロナウイルスの流行による外出自粛によりこの好きなことができなくなった方もいらっしゃるでしょう。そういった方は元々好きだったことを工夫して行ってみたり(例:飲み会をオンラインで実施する)、これを機に新しい趣味や楽しみを見つけてみるのもいいでしょう。

➁運動をする
 運動は健康維持に必要なものとして、コロナ禍の活動自粛になるものには含まれていません。運動には、ネガティブな気分を発散させたり、心と体をリラックスさせる効果があります。特に体の中に空気をたくさん取り入れながら行う有酸素運動が効果的だとされています。激しい運動ではなく軽いウォーキングを行うだけでも効果があります。無理に激しい運動を行うとかえって体の負担になってしまうこともあります。まずはご自身のペースで軽く汗ばむ程度の運動から始めてみるのがよいでしょう。1日に多くの運動を行うよりも少しずつでも継続することが大切です。

 次にこころの健康維持のコツについてお話します。コロナ禍でのこころの健康維持のコツについては、国際双極性障害学会と光療法・生物リズム学会という国際学会が共同で発表した提言がありますのでそちらから引用してご紹介します。

コロナ禍でのこころの健康維持のコツ
・自宅待機や在宅勤務であっても、自分自身で毎日決まって行う日課を設定しましょう。そうすることで、体内時計は安定して働くようになります。
・毎日、同じ時刻に起きましょう。決まった時刻に起床することは、体内時計が安定して働くために最も大切です。
・毎日、一定時間を屋外で過ごすようにしましょう。体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。朝といっても、お昼近くよりは、午前中の早い時間帯が望ましいでしょう。
・毎日、同じ時間に食事をしましょう。食事の時間になっても食べたくない時もあるかもしれませんが、それでも時間が来たら少量でも良いので何かを口にしましょう。
・人との交流は、たとえ社会的距離確保の期間中であっても大切です。テレビ電話か音声通話かはどちらでも結構ですので、可能そうな方とコミュニケーションの機会を持つようにしましょう。LINEのような文章だけの会話であっても、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。
・日中の昼寝は避けましょう。もし、どうしても昼寝が必要な方は最大でも30分以内に抑えましょう。昼寝は、夜の深い睡眠を妨げます。
・夜間に明るい光(特にブルーライト)を浴びるのは避けましょう。コンピュータやスマートフォンのディスプレイにも含まれます。ブルーライトは、睡眠に不可欠なホルモンを減らしてしまうことがわかっています。
・自分自身に合った、起床と就寝の時間を決め、一貫してその睡眠リズムを保つようにしましょう。もし、あなたが夜型ならば、たとえ家族の人より少し遅く寝て、少し遅く起きることになったとしても大丈夫です。毎日、同じ時間に床につき、同じ時間に起きることがポイントです。

 多くの内容が記載されていますが、規則正しい生活を送るようにというのが主な内容です。活動自粛によって自宅にいる時間が増えるとどうしても生活リズムが崩れやすくなってしまいます。全てを実践することは難しいと思いますのでできるところから少しずつ始めてみてください。

引用文献
厚生労働省. ストレスって何?. みんなのメンタルヘルス総合サイト〈https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html〉(最終閲覧日2022年11月17日)
厚生労働省. こころと体のセルフケア. こころもメンテしよう.〈https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/index.html〉(最終閲覧日2022年11月17日)
国際双極性障害学会:時間生物学・時間療法タスクフォース・光療法・生物リズム学会. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下における、こころの健康維持のコツ:先の見えない中であっても、日常の生活リズムには気をつけよう. 宗未来(訳). 〈https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/gakkai/teigen/data/2020-04-07-2-covid-19.pdf〉(最終閲覧日2022年11月17日)