この記事を読んでくださっているあなたは、大切な家族であるペットを亡くして、悲しみの中にいらっしゃる、あるいは、失うことに対して恐怖感や不安を感じて、この記事を読んでくださっているのかもしれません。
ペットの喪失(死別)をきっかけにして、精神的・身体的に不調な状態に陥ることを「ペットロス症候群」、通称「ペットロス」と言います。
ペットロスの主な症状は、
・突然涙が止まらなくなる
・不眠
・情緒不安定
・抑うつ
・疲労
・虚脱
・無気力
・めまい
などが挙げられます。
喪失直後のこのような反応は異常ではなく、「正常な悲嘆」として、ほとんど6ヵ月以内に安定することが多いようです。大切な家族を亡くしているのですから、心身に変化が起こることはむしろ自然で当たり前のことだと思います。
ペットロスからの回復に役立つ方法をここでは3つ紹介したいと思います。
- 悲嘆カウンセリングを受けてみる
悲嘆カウンセリングとは喪失による悲嘆を癒すためのカウンセリングのことです。治療者や場所によって方法は様々ですが、ペットロスについての知識を提供したり、ペットロスによる悲しみの表出を助けたり、問題解決や意思決定への支援を行うことを目的としています。
- セルフ・ヘルプグループで語り合う
セルフ・ヘルプグループとは、共通の苦しみを抱えた人同士が自主的につながり、悩みを打ち明けたり、問題解決のために経験や情報を分かち合い、相談活動などを行ったりするグループのことです。特にペットロスの場合、ペットを失った悲しみが社会的な理解を得られにくいため、同じ気持ちを分かる仲間と語り合う経験は悲嘆から回復するために重要だと考えられています。
- 喪の儀式を行う
ペットにまつわる喪の儀式としては、埋葬・火葬の他にも、植樹・思い出の品を収納する箱を作るなどがあります。弔う行為を通じて亡くなった事実を実感したり、気持ちに区切りをつける機会になったりすることもあるのかもしれません。どのように弔ったらいいのか正解はありません。自分が納得した方法で弔えたかどうかが大切ではないかと思います。
大切な家族と過ごしてきた時間は、かけがえのないものです。今感じている悲しみ以上に、一緒に過ごした時間はとても幸せで、たくさんの良い思い出があることも、同時に思い出してほしいのです。今は姿もないかもしれませんが、これからもあなたのことを見守りながら、幸せを願っていると思います。
あなたがあなたのペースで自分と向き合い、悲しみを癒し、再び前へと歩きだされていくことを願っています。
*日常生活に支障をきたすほどの精神的・身体的に不調がある場合は、専門的な治療が必要になることもあるため、「このくらいで…」とためらわず、相談機関や医療機関を受診することを考えてみてください。
【引用文献】
・福田綾子(2022)ペットロスは「克服」しなくていい!
【引用サイト(閲覧日:2023年9月14日)】
・ペットロスの乗り越え方―喪失からの回復―